禅堂での作法

入堂:
禅堂に入ったときから修行です。禅堂を歩くときは「叉手当胸(さしゅとうきょう)」します。胸の上で右手を左手の上に重ねる。両手の親指を他の指から離し合わせ、あごを引いて静かに歩きます。坐具置き場から座布団を2~3枚取り、胸の前で叉手当胸した腕で抱え、禅堂の後方の2畳から入ります。自分の坐る単(空いている畳)まで進み、そこで禅堂正面の掛け軸に向かって立ち、「問訊(もんじん。合掌しながら低頭する)」します。問訊後、坐るところを設け坐します。

坐禅中に入堂する場合:
坐禅中なので静かに入堂します。禅堂入口に坐っている「聖侍(しょうじ)」の前に座って合掌し、堂内に入る許可を得ます。合掌するときは、仏壇に尻を向けぬよう聖侍の斜め前に座ります。聖侍が合掌したら、入堂が許されたことになります。自分の坐るところを設け、一礼してから数息観を始めます。後は、前述の入堂に準じます。

退出:
退出するときは、入堂の逆の要領になります。静かに坐を解き、一礼して坐具を胸の前に抱え、掛け軸に問訊して、禅堂の後方より退出します。

坐禅中に退出する場合:
坐禅中、気分が悪くなった等のやむを得ない理由により退出するときは、前述の坐禅中に入堂する場合の逆の要領で退出します。理由を小声で聖侍に伝え、退出の許可を得ます。

坐禅中:
周りの人に迷惑がかからないよう、あまり体を動かさず数息観に集中してください。足の痛さに我慢ができなくなった場合は、合掌してから組み足を1~2回変えても結構です。
それでも足が痛く我慢ができないときは、合掌してから静かに立ち、叉手当胸して立ったままの姿勢で数息観をしてください。「5分位」過ぎたら静かに坐り、ふたたび坐禅に戻ります。

警策:
助警が坐相の悪いのを直したり、居眠りを注意するため「警策」を捧げて堂内を回ります。坐相が悪ければ正します。坐相を正されたら「互いに合掌」します。
肩が凝ったり、眠気をもよおしたとき警策を受けるとスッキリします。警策を受けるときは、助警が目の前に来たとき合掌します。互いに合掌した後、畳に両手をつき警策を受けます。警策を受けたら、互いに合掌して坐禅に戻ります。

 

 

禅堂での注意:
禅堂は、「黙堂」とも言われ、坐禅をするための大切な場です。「私語」は固く禁じています。勝手な行動も禁じています。
携帯電話、腕時計のアラーム等は、あらかじめ切っておいてください。
電気、水等の節約に努めてください。
煙草は、所定の場所で吸ってください。
貴重品は、各自で管理してください。
禅堂での作法は、周りの人にならって行ってください。