[天] 産卵に群がり跳ねる鯉の春(寶州)
[地] はるかまで光輝く春の海(宝蔵)
[人] ひたすらに咲く桜たち何思ふ(慧澄)
[人] 肉球の形さながら春の泥(霊峰)
[人] 風吹いて花びら集める水面かな(慧澄)
〈寸評〉
選に入った句は、どれも素晴らしいものばかりですが、霊峰は
個性とは変えられぬもの豆の飯(西田)
を推します。俳句ではよく「季語が動く・動かない」と言います。「季語が動かない」とは、これ以外に類似の季語の置きようがない、それほど句のイメージに季語がマッチしているということです。「個性とは変えられぬもの」に何を取り合わせましょうか?
「鰻飯」や「かしわ飯」(季語かどうかは別にして)ではメジャーすぎて万人受けしますよね。「深川飯」(春の季語ですが)だと逆に癖が強すぎます。グリンピースご飯の、なんとも言えない、庶民的であってそれほど膳には上らない素朴なイメージがいい味を醸しています。
5月句会の締切は5月23日(火)です。
自由詠で5句までを、下記のアドレスへのメールかFAXで投句してください。(締切必着で)